ボーナスステージ三軒茶屋

高田馬場から引っ越した後、大須観音からも引っ越しました。

アイデンティティ不安:もろもろの材料

さて、今後数回に分けて(連続した記事とは限りません。その時々で気に入ったものの記事を挟む可能性もあります)、アイデンティティ不安について書こうと思っています。非常に難しいテーマで、私自身も27歳になってすらこの種の不安を抱えることがあります。どうなんだそれは。

 

アイデンティティという言葉自体、時代によって定義が揺れ動いてきた単語です。遡っていけばかの有名な「我思う、故に我あり」というところまで行き着くのですが、このブログはポップカルチャー作品からいろいろと理屈をこねくりまわすことを目的としているので、主に20世紀と21世紀の作品について扱います。

 

自分自身の中でも解の定まっていないテーマについて書くので、最終的な結論がどのようになるのか(あるいは回答が“そもそも出るのか”)分かりませんが、とりあえずは一回目として、以下に今後使おうと思っている材料と、ひとことでのまとめを書いておこうと思います。

 

◆『ユービック』/フィリップ・K・ディック著/洋書

・20世紀の典型的アイデンティティ不安、いわゆる「ディック感覚」と呼ばれるものについて。

 

アンディ・ウォーホルの作品群/アンディ・ウォーホル/絵画

・大量生産、大量消費されるアイコンによってむしろ個性を確立した例について。このあたりは「集団としてのアイデンティティ」という意味ではゾンビの話とかぶるかもしれません。

 

◆『ブレードランナー』/リドリー・スコット監督/洋画

・これも原作はディックですが、おそらく映画版の方が多くを示唆している、という珍しい例だと思います。というか原作と映画がほぼ別物なので、原作については『ユービック』の方で軽く触れるつもりです。

 

◆『仮面学園』/小松隆志監督/邦画

・私が大好きなB級映画からもひとつ。B級に映画には時々、はっとするほど考えさせられてしまいます。そもそもの期待値が低いので裏切られた時のギャップがすごい、というだけかもしれませんが。

 

◆『Every Day is Exactly the Same』/NINE INCH NAILS/洋楽

・洋楽の歌詞です。この記事はたぶん短くなると思います(あるいは書かない)。

 

◆『輪るピングドラム』/幾原邦彦監督/アニメーション

・「きっと何者にもなれないお前達に告げる」と全国のオタクに宣告したアニメーション。21世紀、それも日本におけるアイデンティティ不安の話として。たぶんこれは長くなります。

 

 

和書がないですが、とりあえず思いつくところはこれくらいでしょうか。

まずはまとめやすいところから。次回は『ユービック』について書くつもりでいます。