ボーナスステージ三軒茶屋

高田馬場から引っ越した後、大須観音からも引っ越しました。

腐っても愛:『STACY』

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STACY

2001年/日本映画/80分

【原作】大槻ケンヂ

【監督】友松直之

【脚本】大河原ちさと

 

ゾンビ関係の話を延々するのもどうかと思うので、今回でゾンビの話は一旦終わりにします。とにかくアホな映画です。まず原作:大槻ケンヂの時点で大変な期待が持てますね。この映画は、私が人生で始めて観たゾンビ映画です。

 

当時中学一年生だった私は、夜中にケーブルテレビでちょっとしたお色気シーンがあったりする映画を見たりするような、まあ標準的な少年でした。

『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』とか、リュック・ベッソンの『TAXI』とか、結果としてはいろいろと面白い映画に触れる良い機会になりましたが、その中で衝撃的かつ、一番私の人生を歪曲したであろう作品がこの映画です。

 

ある日突然、女子高生が大量死して何故か甦った(この甦った状態が「STACY」と呼ばれます)。ステイシーを無力化するには、肉体を少なくとも156(だかなんだか)個以上の肉片に分解しなければならず、またそうする権利は恋人か、家族にしか与えられません(ただし闇ルートでこの権利が売買されることはある)。また、女子高生たちがステイシーになる直前には、わけもなく多幸感に包まれ言動が支離滅裂になる『臨死遊戯状様(ニアデス・ハピネス)』と呼ばれる状態になります。

 

 

ステイシーになることを拒む女子高生たち。

ステイシーを刻むお手軽チェーンソーを売る通信販売番組。

自分の肉片を切り刻む権利を、愛する男にささげようとする女子高生たち。

ステイシーになる秘密を解き明かそうとする狂気の博士。

愛する娘を切り刻むことができず、国家権力に権利を売り渡す父親。

そして解き明かされるステイシーの謎。何故彼女達は腐ってしまったのか?

 

 

正直、筋書きについてあまり詳細に書く意味はこの映画にはありません。エロ・グロ・ナンセンス映画として、大変に素晴らしい映画です。筒井康隆演じるマッドサイエンティストの演技や、ステイシーたち(当時本物の女子高生達に特殊メイクを施して演じさせたそうです)の鬼気迫る演技。徐々に正気をなくしていく加藤夏希の演技。決して優れた映像作品ではありませんが、非常に愛おしい映画です。

 

さて、ゾンビの話はそろそろ終わります。次は映画以外の話でもしようかと思います。